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月別アーカイブ:2022年03月

哲祖寺再生工事 その③ 完成編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完成した哲祖寺さんの紹介です。

本堂の柱や梁は以前のものを再利用し、塗装をして

あえて見えるように仕上げました。

天井は格天井(ごうてんじょう)とし、

枠の内側に作家さんの銅板作品を納めて完成です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

談話室を兼ねた裏玄関。

気軽に縁側に座ってお茶を飲んだり、会話したりできる空間です。

写真右側の建具は磨き直して再利用しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古い柱のほぞ穴もあえてそのまま残し、歴史を感じさせます。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

 

 

 

 

 

 

 

ランマも再利用しました。

哲祖寺さんの歴史を残しつつ、再生工事によって

新たな風が吹き込まれたと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古民家再生工事は株式会社 松田工務店が得意としており、

過去にも、個人宅の古民家再生工事を前のブログで紹介しています。

過去の安達邸紹介記事はこちら

良かったらご覧ください。

 

哲祖寺再生工事 その② 基礎工事から完成まで

前回ひきつづき、哲祖寺改修工事の流れを紹介します。

 

お寺の敷地は道路より50㎝低いので、湿気がたまりやすい状態でした。

そこで建物の基礎を新しく作るにあたり、高さを上げます。

曳家で建物を持ち上げておき、砕石を職人さんで運び込み、地盤を道路面の高さまで上げ

その上にベタ基礎を作ります。

お寺はそれまで基礎など無く、石の上に建っていたのですから、ずいぶん丈夫になりました。

基礎が完成すると土台を敷き、建物を土台の上に着地させます。

その後は通常の木工事を始めます。

間仕切りは取り払われ、大広間に変わります。

天井もなくして吹き抜け空間を作り、そこに補強の梁を加えます。

 

改修工事で断熱も強化しました。躯体に断熱材を敷き詰め、窓サッシはペアガラスの最新の

断熱仕様を設置しました。大広間の大きな空間での冷暖房効果を高めます。

↓改修工事前の広間

この大広間はお寺の来客をもてなすスペースです。

完成後も何度か訪問しましたが、その時もこの大広間で

お茶を飲んだり住職を話しをしています。

大広間は吹き抜けがある大空間です。お寺の外観からは

イメージできない空間なので、初めて入る人は

「ほうー」と声をあげられると住職が教えてくれました。

 

次回は完成した様子を紹介します。

哲祖寺再生工事 その① 事前打ち合わせから着工・解体・曳家工事

前回に続き、哲祖寺(てっそじ)再生工事の流れを数回に分けて紹介します。

再生工事前の哲祖寺

工事前は建物の調査を入念に行います。

建物の寸法や、使われている柱や梁の大きさ、

構造、組み方、窓の位置等を測ります。

必要な情報を集め、図面化します。

 

古くなったお寺は暗くてジメジメして地域住民の方が

気軽に入れない雰囲気がありました。

そんなイメージを払拭するために、地域住民の方が

集まりやすい空間を作りたいと住職は考えていました。

建物の正面に玄関とは別に土間空間を設け

近所の方がふらっと立ち寄り靴を履いたまま腰掛て

お茶を飲みながら談話できるようにします。

 

住職と何回か打合せをし、設計プランをまとめ

完成イメージを共有します

 

 

2018年4月、哲祖寺の住職と契約を交わし、いよいよ工事が始まります。

屋根瓦は数年前に葺き替えてあり、きれいな状態だったので

屋根を残して柱・梁の骨組みだけを残して解体します。

骨組みを傷つけないよう、職人さんによる手壊しで進めます。

 

解体工事後、曳家工事をします。

曳家工事では骨組みになった建物をそのまま持ち上げる工事です。

柱の根本を鉄骨で固定し、その鉄骨の下に枕木を積み重ねながら

地上2メートルぐらいの高さまで持ち上げます。

持ち上げることで、建物の真下で新しい基礎を作ることが可能になります。

 

次は基礎工事。次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

哲祖寺(てっそじ)の再生工事の流れ

松田工務店では営業スタッフがいないので営業活動はしていません。

知人の紹介やOBさんのリターンで新しい仕事やお客様と出会うことが多いです。

 

哲祖寺(てっそじ)さんの再生工事も知人の紹介で工事させて頂きました。

当初は寺の床が傷んでいるからと連絡をもらい、修理の下見に伺ったところ

築200年のお寺は、確かに床の一部が下がっており修理が必要でした。

修理方法やお寺のことを聞いたりと住職さんを会話をしていくうちに

意気投合し会話が弾み、実は床の修理だけではなくお寺全体を直したいと考えていて

実は、こういう風に寺を直したいという思いを私に語り始めました。

そうしてお寺全体の再生工事の相談を受けることになり、まずは資金調達です。

 

住職さんの知り合いでお寺のスポンサーがいます。

再生工事プラン・図面等を作り、住職さんからスポンサーにプレゼンしてもらい、

再生工事は社会的に意義のある事業として認めていただき、見事資金調達ができました。

あれよあれよという間に話が進み、住職さんの夢が実現することになりました。

続きは次回